お葬式

□永順寺が考える「お葬式」 
 お葬式は別れの儀式ですが、ご本人にとっては浄土に往生する節目の儀式でもあります。身近な者は、死という厳粛な事実を受け止めねばなりません。これは簡単なことではありません。だから、葬儀という「形」が人類の智恵によって作られてきたのです。儀式は悲嘆(グリーフ)によって心が壊れるのを防ぐ役割も果たしているのです。
 
 お葬式で故人の友人、知人、同僚方に初めて出会い、話を聞いて、家族が知らなかった一面を教えてもらうことがあります。お葬式は「形」を大切にしながら、このようなぬくもりのある場にもしたいものです。故人の面影がさらに膨らむことでしょう。

 グリーフ相談の所にも書きましたように、身近な方をなくした悲しみは思いのほか長引くものです。心や体に不調を来すこともあります。私たちは、それをできるだけ軽減できるように、グリーフ・カウンセリングを踏まえたお葬式とその後の法要を試みています。

□お葬式の流れと、その後の法事
①臨終勤行(りんじゅうごんぎょう)
なくなられてすぐのお勤めです。法名(釋○○)がまだの時はこの時には、お剃刀(かみそり)の儀式をしてお付けします。命終のご様子などもお聞きしながらご一緒にお葬式の「形」を考えます。枕経とも言います。

②通夜(つや)
昔は、家族親戚をはじめご近所や知人も集まって夜を通して故人を偲んだので「通夜」と呼ばれたのです。最近は社会の変化にともない、そういう習慣はなくなりつつありますが、その心は大切にしたいものです。

③葬儀(そうぎ)
葬儀はまず第一に宗教儀式の場ですが、広く社会に故人の死を知らせる場でもあります。最近は、社会の変化もあり、また、家族の負担を減らすために告知しないことも増えてきました。やむを得ない事情もあるとは思いますが、上に書いたように、できるだけみんなで送ってあげるのが望ましいと私たちは考えています。

④火屋勤行(ひやごんぎょう)
火葬場(火屋)でのお勤めのことです。これがご遺体のある最後のお勤めとなります。

還骨勤行(かんこつごんぎょう)
火葬が済んで収骨したお骨を安置してするお勤めです。

⑥中陰法要(ちゅういんほうよう)
七日ごとにするお勤めで、7回目で四十九日と言いまして、一つの区切りとなります。

⑦百か日
百日目のお勤めです。

□ お葬式の場所
ホール葬
 最近は多くのお葬式がホールで行われます。通夜から初七日まで行うことができる上、仕上げの食事や宿泊ができるホールもあります。家族や参列者の負担も軽減できます。葬儀の主流になるのもむしろ当然と言えるでしょう。

寺院葬
 お寺の本堂でお葬式をすることができます。本堂・内陣のお飾りは非常に美しく荘厳です。阿弥陀仏の極楽浄土の世界を模して作られていますから当然と言えば当然です。
 永順寺では、本堂の冷暖房設備が整っています。全席椅子席にすることができます。最大80人ほどは道内に着席できます。便利さではホールにはかないませんが、葬儀社の協力も得ながら滞りなく、心にしみるお葬式ができます。
 写真は永順寺本堂での葬儀の一例です。